本日のテーマ「人・物・金」「金・物・人」
どんな会社でも尽きない悩みが、事業資金の調達です。必要な時に必要な金額の事業資金が調達出来れば、会社の拡大や再編、事業の再生も可能ですから悩みにもなりません。
しかし、どんな会社でも、チャンスや危機に調達を考えなければならない場面があります。
その場面に直面したとき、経営者や経営陣はどこに相談に行くでしょうか?
常套手段としては、取引実績のある政府系金融機関、商工中金、銀行、信金・信組でしょう。
そこで、資金使途が明確で、決算書も事業計画も問題ないとして必要金額を低利で調達出来れば問題ないのでしょうが、往々にしてスムーズに行かないことが多いのが現実。必要資金額が不足していたり、融資実行日が決まらずペンディング状態がつづいたり、融資条件が厳しい内容であったり、あげくペンディング状況が続いた後断られたり。
『その時、どうするか!』
ここからは、大きく2パターンに分けて話を進めていきます。
まずは、資金使途が事業拡大のための投資資金であったり、設備購入資金だったりした場合は、必要額が調達出来なければ一度白紙にもどして、その資金の投資リターンをもう一度シミュレーションしなおして、単独計画からパートナーとの協調計画に代える、時期を遅らせる、今回は見送る等の措置で対応していくべきでしょう。
無理に2番手の調達先探しに奔走し、右往左往するエネルギーを使うと、既存の順調であるはずの事業に少なからずほころびが出てくるものです。
そんな時こそ、相談し、託せる先としてコンサルタント会社のノウハウや人脈を活用するというのも一つの効率の良い手段です。
本業をおろそかにせず、シミュレーション作りから、調達スキームの策定、資金調達先探しまで一時本業の外に託して、経営者、経営陣はその報告と情報を基に判断するという形がとれれば全体把握のなかで効率のよい経営が進められるのではないでしょうか。
経験から申し上げると、この拡大パターンの調達の相談を機に、お手伝いさせて頂いている会社様方で、当初の目的での資金調達を成し遂げた方は半分くらいでしょうか。半分は、途中で抜本的な会社再編として、新事業会社の創設や会社分割を行ないながら、主たる目的をアレンジして成し遂げて更なる効果を得られているのが実態です。
次に支払い資金の調達、必要金額の融資が受けられない場合です。深刻に悩み、どうしたらいいか分からなくなります。心情として当然でしょう。必死で調達の手段を考え、相談する人も限られて来ます。いや、相談する相手などいないかもしれなせん。支払わなければならない金額は絶対で、支払日もせまってきます。
『もう、倒産するしかないのか...』『もう、どうしたらいいか分からない、終わりです...』経験上よく聞く言葉ですが・・・・・・
『必ず手はあります!諦めない限り必ず。です』
まずは、冷静に相談に乗ってくれて、現状を正しく理解させてくれるパートナーを持つべきです。もちろん私どもでも大歓迎です。
支払い資金の調達が出来なかった場合、一番やってはいけないのは、より高利な資金の調達や、信頼関係の中で、絶対返済出来る根拠がない、期日が約束出来ない中での借入れです。信頼関係の中での借入れが、約束通り返済できなかった場合は恨みになってしまします。一番甘えられる先と考えるその人は、逆に言えば一番迷惑をかけてはいけない人ではないですか?
では、どうするのか・・・・・
今ある現金と収入予定から、支払い順序を見直して行くことから始めるべきだと提案します。支払い順序は、【人】⇒【物】⇒【金】が原則です。
【人】は、人件費です。自分を含めた役員報酬、従業員給与が第一です。ご相談に見える方の多くがまず、苦しい中で一番初めにカットするのがご自身の役員報酬、次に役員、そして従業員給与です。真っ先に延滞したり、カットしたりしてお見えになります。
代表者や役員の報酬にしても、生活資金がなければご家族に迷惑がかかり安心して働くことなど出来ません。まして従業員は更に不安と不満が募ります。ですから、まずは人件費を支払い順位第一に設定します。もちろん、その中でも、従業員⇒役員⇒代表者の順番に支払い順位と金額の設定はされるでしょうが、代表者も厳しくても報酬は得るべきなのです。代表者が意気消沈しては本当に終わってしましますから。
【物】は、原価である商品や材料の仕入れ代金等です。事業を継続して、売り上げを上げていくには、どんな事業であれ、商品や材料を持たなければなりません。物販の商品、飲食店や加工業の材料、派遣業の人件費等、原価に対する支払いが出来なければ事業が継続できないですから、順位2番に設定します。2番にしている理由は、取引先はビジネスの中での交渉と割り切ることも必要になるからです。支払いサイトを変更してもらうことも覚悟する必要があります。それにより、取引条件が厳しくなることもあるでしょう。取引停止になることは避けなければなりませんが、手形を現金払いに切り替えられてしまうことで、逆に単価を下げてもらう等の条件が引き出せることもあります。
【金】は、金融機関・税金です。資金繰りに窮して資金調達が出来なかった場合に、一番初めに相談と、交渉に行く先は、借入れのある金融機関です。金融機関に、返済を1ヶ月遅らせたり、返済条件を緩和して、元金返済を一定期間猶予して貰えれば、【人】【物】への支払いは出来て、事業継続できるのであれば、それにこしたことはありません。金融機関もビジネスですから、交渉が成立して、御社が事業を継続して、銀行取引を継続して貰った方が良いと思っています。また、税金の支払いについても、年度内の支払い計画が立てば、納税方法の変更に応じてくれるはずですので、相談してみるべきです。以上を踏まえて支払い順位3番です。
支払い順序は、【人】⇒【物】⇒【金】を逆に言えば、支払いを留めて相談する順番は、【金】⇒【物】⇒【人】と言うわけです。どうでしょうか、支払い順序と相談順序を正反対にしていることはないですか?
事業資金の調達がうまく行かなかった場合の2パターンあげましたが、支払い資金の調達がうまくいかなかった場合の方が深刻な悩みになりがちですので、元気になって頂きたいと思い、長く支払い資金調達がうまくいかなかった場合の初期の対応方法を今回書かせて頂きました。引き続き、次回に、事業資金の調達、特に支払い資金の調達がうまくいかなかった場合の対処法を視点を変えて掲載したいと思っています。